記念楯の歴史
2017.04.24

トロフィー記念楯の歴史ですが、これは楯についての歴史ともいえます。楯、すなわち盾なのですが、これについてはみなさんもよく知っているかと思います。盾とは剣や槍、飛来してくる矢から身を守る防具です。四角いものであったり丸いものであったりしたもので、片手で持てるものから、どっしりと構えて守る重量のある盾と種類があります。形だけでなく、木製のものから鉄製のものと材料に関しても種類があるのが特徴ですね。

日本において古き時代では別の意味で身を守る用途として盾を用いた記録があります。盾持人埴輪と呼ばれるものが古墳の周りに置かれるようになっています。古墳を悪霊や邪気から守るための呪具として制作されたとみられます。古墳だけでなく、建物への侵入を防ぐために建物の四方へと盾を立てた記録もあるようです。このように古代日本においても、盾は防具だけでなく、権力者の墓、建物を悪霊から守る用途として使用されていました。

さてこの盾ですが、古代では盾は「勇気」や「勝利」の象徴として考えられていました。そのため戦場において盾を敵兵に奪われるというのは、兵士にとって最大の恥とされていました。古代ローマではそんな兵士は死刑に処されることがあったようです。ノルマン人ですと自分の盾を棺にしたということでも知られています。

時代を経てヨーロッパにおいても、盾は単に身を守るための防具としての用途で終わりませんでした。中世のヨーロッパでは騎士道が広く認知されていました。盾は騎士道の象徴とされ、盾の形状、紋章は厳格に規定、区分され、紋章を見る事で騎士が誰なのかがわかってしまうほどでした。この盾の紋章から、ヨーロッパの紋章が発展し、騎士には必ず盾持ちの従者が伴われるようになりました。

古代では盾は奪われてはならないほどのものであり、中世ヨーロッパでは盾は騎士道の象徴であり、自らを証明するほどに誇りが詰まった一品。中世ヨーロッパではその盾の紋章から家紋が生まれるほどです。となればその誇りを証明するものとして、盾を贈られるのも自然な変化といえるでしょう。褒賞として贈られる盾。これが防具としての盾ではなく、祝いとして贈られる楯となったとされています。

そして現代においては記念日を祝う楯や、スポーツなどで優秀な成績を収めた者へと贈られる表彰盾として知られるようになっています。ヨーロッパの一国であるイギリスでは、楯の表彰製品を「plaque」(プラーク)、「shield」(シールド)と呼ばれています。前者は記念楯や表彰盾でよく見られるような平たく四角い形をしたものです。後者は戦いで使用されていた盾を小さくし、表彰品としたものが呼ばれるようです。日本においてよく知られるのが前者の方ですね。そして楯とは古来より誇りを象徴するものであり、祝いとして贈られるにふさわしい一品なのです。

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